★投 資 の 心 理
投資家は,なぜ判断を誤り、損失を拡大するか?
《リスクの心理》心理学者スタ-
1、期待は1/1000に押さえられて初めて、正常な感覚が保てる。
期待のレベルに対して
1000倍リスクに甘くなる!
2、受動的リスクの主観的評価が、能動的リスクの10の3乗に比例する。
能動的な判断が、間違って受動的な立場になると、リスク感は1000倍に増幅する
リスク感が増えるほど、感情的な判断になる。
《相場感のゆがみ》
1、相場は、合理的な情報を織り込みながら
「不確実性に振れ、拡大する」
2、ストレスは「付和雷同的行動」を駆り立てる。
3、安直に手が動きそうな儲け(強い動因)は
視野を狭くし、短絡的判断を起こさせる。
4、ギャップフィ-リング:認知的不協和低減の法則。
人は、目立つもの、顕在性の高いものに判断が偏る。
(例:大殺界は良くない)
スト-リ-性がもっともらしいものがトレンドを強化する。
人間は確実なものか、リスク大の両極端のものを選びやすい。
若い感性を失った老人は、経済評論家の甘言を信じて
リスク大を選ぶ
《プロスペクト理論》
ヒュリスティック(Heuristic,脳の情報詮索)の犯しやすい誤り
1、(シンボライズ)。
人は、代表的な情報で判断し、複合的、多元的に考えない。
2、(アクセス容易性)。
人は、理解しやすい情報を重要と考え、それ以外を軽視する。
3、人は、自分の予測した事に従って微調整し小さな変化を見逃す。(アンカ-リング)
《アトキンソンの希求モデル》
人は、過去の成功と失敗の不快感に影響された判断をする。
成功者は:リスクを最小化し、現実可能性の中間を選び、実をとり、バクチはしない。
失敗経験者は、可能性が低いか極大の(失敗しても理由が得られる)リスク大を求める。
通常は、安易な困難すら避ける、根底に失敗の恐れをもっている。
人は、能動的になれば極大化し、失敗を拡大する。
受動的になれば可能性が低く、満足感を得られない。
《オレオレ詐欺、架空請求詐欺にあう人の特徴》
オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺及び還付金等詐欺、それ以外の特殊詐欺
の被害額は、半期で合わせて約268億円。
なぜ、少なくならないのでしょう。
人間が不安を感じるのは、脳の中の扁桃体という部位で、そこで感じる不安が強くなる
と自律神経の中枢を刺激し、発汗やふるえなどの身体症状を引き起こします。
その影響で、理性をつかさどる前頭前野が影響を受け、冷静な判断を失う。
ストレス耐性が弱い人(日常的に不安を避けている人)は、特に影響を受けやすい。
また社会性が低い(世の中の動きに関心が低い)老人、特に女性が欲を出すと、さらに
冷静な判断が出来なくなる、詐欺師は、この仕組みを悪用しているということです。
朝起きてから寝るまでテレビ漬けにしていると
「テレビの長時間視聴が、言語知能などをつかさどる脳の前頭極に悪影響を与える」。
(東北大加齢医学研究所の川島隆太教授(脳科学)と竹内光准教授のグループが発表)
欲望を駆り立てる話を、おいしいと感じる(興味を持つ)人は、サギに引っかかる。
不安を解消するという方法を、安易に信じる人は、高額な料金を支払う事に躊躇しない。
詐欺に限らず霊感商法に注意。
日常的に、物事を誇張想像しないで、普通の状態に見る癖を、身に付けるべきである。
不思議なことをすぐに信じないで「健全な懐疑主義」(素朴な疑問)を持つこと。
《ギャンブラ-の誤謬》
偶発(デタラメ)の積み重ねは、確率となるが、人間は、それを自分の「直感的判断力」
と信じ、のめり込む(自己過信)。
実は、デタラメにやっても確率は同じ。
マメでないとギャンブルにも勝てない。
身なりに構わないギャンブラ-達は金を失う。
「勝おうとする意欲は、あるが無意識のうちに敗北の願望を抱いている人」
1他の一切の楽しみを排除する。
2いつもチャンスを狙っている。
3 警戒感をもたない楽天主義。
4勝っても負けても絶対やめない依存症。
「いつやめるかを知る者は天才である」
5強烈な悲喜感、上下振幅が大きい。
どんな名人でも、賭の回数を増やせば、マイナス効果が働く。
小遣いの範囲内で楽しむのはよいが、ギャンブラ-は、儲けた金は散財する。
宝くじの1等が当たった人の95%が5年以内に全てを失う。
勝った満足感は、金額が大きくなるにつれて、小さくなる。
負けた金額も金額が大きくなるほど損失感は、少なくなる。
「数の無感覚」人間が判別できる感覚は、3桁まで(宝くじは例外)
3割バッタ-も7割は凡退している。確率の低いことでも過大に評価する。
(「ツキの法則」谷崎一郎(ギャンブル社会学)
《金融商品を売る会社から身を守る知識》
金融商品を売る会社とは、証券会社、銀行、郵便局
営業モラルのある証券会社と担当者を選んで取引すること。
(いやなタイプは拒否するしかない、指名は、できない)
大衆店の客殺しに注意、希望の星は、破滅の星、生殺与奪の権利を握られている。
証券会社は、大量に裁くことに熱意、小口投資家(くず)は、貧乏くじを引かされる。
証券会社の仕事は、1集める、2売買させる、3残高を増やす、4自己売買で儲ける。
若い証券レディでも、1人当たり、数億を集めている。
管理営業のセ-ルスマンとは、つき合わないこと。
証券セ-ルスは、売買の技術面に触れることは、禁じられている。
証券セ-ルスは、事務的知識や周辺情報は知っているが、売買の実践知識、技術はない。
証券会社は、客層を広げ、水準を下げることで、反対勘定の自己売買の利益は大きくなる。
悪質証券会社(大手)
大きい会社だと安心するが、
客は、ネギを背負ったカモ、客になったら狼にねらわれた子羊。
最終的に、有り金を巻き上げられる。
地方の支店で利益をあげている客は非常に少ない。
1987年の上昇期でも、ある証券会社で儲けたのは400人に1人しかいない。
⇒ファイナンシャルプランナーは、金融商品に対しては素人が多いい。
《自分の抑制》
一般投資家は、
「アマチュアのままでも稼げる」という大いなる錯覚
をもっている。
(自分は頭もよいし、仕事の世界でも成功してきた、人よりも知識も豊富だし大丈夫???)
一般投資家は、業界に対して無知、無防備、甘い誘惑で「魔の領域」に足を踏み入れる。
投資は1000人の内999人が失敗する。
「絶対損をする」という人が圧倒的に多い。
教訓:人の一生にもサイクルがある、
儲ける時期が去ったら、これまでに得たものを守るべき。
45歳以上は、感覚判断力が鈍る。
例:中学生にシュミレーションさせたら評論家のおやじ
よりうまかった。
★⇒投資の心理-2