投資の心理-1

投 資 の 心 理 

投資家は,なぜ判断を誤り、損失を拡大するか?

《リスクの心理》心理学者スタ-

1、期待は1/1000に押さえられて初めて、正常な感覚が保てる。

期待のレベルに対して

1000倍リスクに甘くなる!

2、受動的リスクの主観的評価が、能動的リスクの10の3乗に比例する。

能動的な判断が、間違って受動的な立場になると、リスク感は1000倍に増幅する  

リスク感が増えるほど、感情的な判断になる。

 

《相場感のゆがみ》

1、相場は、合理的な情報を織り込みながら

「不確実性に振れ、拡大する」

2、ストレスは「付和雷同的行動」を駆り立てる。

3、安直に手が動きそうな儲け(強い動因)は

視野を狭くし、短絡的判断を起こさせる。

4、ギャップフィ-リング:認知的不協和低減の法則。

人は、目立つもの、顕在性の高いものに判断が偏る。        

 (例:大殺界は良くない)

スト-リ-性がもっともらしいものがトレンドを強化する。

人間は確実なものか、リスク大の両極端のものを選びやすい。

若い感性を失った老人は、経済評論家の甘言を信じて

リスク大を選ぶ

 

《プロスペクト理論》

ヒュリスティック(Heuristic,脳の情報詮索)の犯しやすい誤り

1、(シンボライズ)。

人は、代表的な情報で判断し、複合的、多元的に考えない。

2、(アクセス容易性)。

人は、理解しやすい情報を重要と考え、それ以外を軽視する。

 

3、人は、自分の予測した事に従って微調整し小さな変化を見逃す。(アンカ-リング)

 

《アトキンソンの希求モデル》

人は、過去の成功と失敗の不快感に影響された判断をする。

成功者は:リスクを最小化し、現実可能性の中間を選び、実をとり、バクチはしない。

失敗経験者は、可能性が低いか極大の(失敗しても理由が得られる)リスク大を求める。

通常は、安易な困難すら避ける、根底に失敗の恐れをもっている。

人は、能動的になれば極大化し、失敗を拡大する。

受動的になれば可能性が低く、満足感を得られない。

 

《オレオレ詐欺、架空請求詐欺にあう人の特徴》

オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺及び還付金等詐欺、それ以外の特殊詐欺

の被害額は、半期で合わせて約268億円。

なぜ、少なくならないのでしょう。

人間が不安を感じるのは、脳の中の扁桃体という部位で、そこで感じる不安が強くなる

と自律神経の中枢を刺激し、発汗やふるえなどの身体症状を引き起こします。

その影響で、理性をつかさどる前頭前野が影響を受け、冷静な判断を失う。

ストレス耐性が弱い人(日常的に不安を避けている人)は、特に影響を受けやすい。

また社会性が低い(世の中の動きに関心が低い)老人、特に女性が欲を出すと、さらに

冷静な判断が出来なくなる、詐欺師は、この仕組みを悪用しているということです。

 

朝起きてから寝るまでテレビ漬けにしていると

テレビの長時間視聴が、言語知能などをつかさどる脳の前頭極に悪影響を与える」。

(東北大加齢医学研究所の川島隆太教授(脳科学)と竹内光准教授のグループが発表)

 

欲望を駆り立てる話を、おいしいと感じる(興味を持つ)人は、サギに引っかかる。

不安を解消するという方法を、安易に信じる人は、高額な料金を支払う事に躊躇しない。

詐欺に限らず霊感商法に注意。

日常的に、物事を誇張想像しないで、普通の状態に見る癖を、身に付けるべきである。

不思議なことをすぐに信ないで「健全な懐疑主義」(素朴な疑問)を持つこと。

 

《ギャンブラ-の誤謬》

偶発(デタラメ)の積み重ねは、確率となるが、人間は、それを自分の「直感的判断力」

と信じ、のめり込む(自己過信)。

実は、デタラメにやっても確率は同じ。

マメでないとギャンブルにも勝てない。

身なりに構わないギャンブラ-達は金を失う。

「勝おうとする意欲は、あるが無意識のうちに敗北の願望を抱いている人」

1他の一切の楽しみを排除する。

2いつもチャンスを狙っている。

3 警戒感をもたない楽天主義。

4勝っても負けても絶対やめない依存症。

いつやめるかを知る者は天才である」

5強烈な悲喜感、上下振幅が大きい。

 

どんな名人でも、賭の回数を増やせば、マイナス効果が働く。
小遣いの範囲内で楽しむのはよいが、ギャンブラ-は、儲けた金は散財する。

宝くじの1等が当たった人の95%が5年以内に全てを失う。
勝った満足感は、金額が大きくなるにつれて、小さくなる。
負けた金額も金額が大きくなるほど損失感は、少なくなる。
「数の無感覚」人間が判別できる感覚は、3桁まで(宝くじは例外)
3割バッタ-も7割は凡退している。確率の低いことでも過大に評価する。
(「ツキの法則」谷崎一郎(ギャンブル社会学)

 

《金融商品を売る会社から身を守る知識》

金融商品を売る会社とは、証券会社、銀行、郵便局

営業モラルのある証券会社と担当者を選んで取引すること。

(いやなタイプは拒否するしかない、指名は、できない)

大衆店の客殺しに注意、希望の星は、破滅の星、生殺与奪の権利を握られている。

証券会社は、大量に裁くことに熱意、小口投資家(くず)は、貧乏くじを引かされる。

証券会社の仕事は、1集める、2売買させる、3残高を増やす、4自己売買で儲ける。

若い証券レディでも、1人当たり、数億を集めている。

 

管理営業のセ-ルスマンとは、つき合わないこと。

証券セ-ルスは、売買の技術面に触れることは、禁じられている。

証券セ-ルスは、事務的知識や周辺情報は知っているが、売買の実践知識、技術はない。

証券会社は、客層を広げ、水準を下げることで、反対勘定の自己売買の利益は大きくなる。

悪質証券会社(大手

大きい会社だと安心するが、

客は、ネギを背負ったカモ、客になったら狼にねらわれた子羊。

最終的に、有り金を巻き上げられる。

地方の支店で利益をあげている客は非常に少ない。

1987年の上昇期でも、ある証券会社で儲けたのは400人に1人しかいない。

 ⇒ファイナンシャルプランナーは、金融商品に対しては素人が多いい。

 

《自分の抑制》  

一般投資家は、

「アマチュアのままでも稼げる」という大いなる錯覚

をもっている。

(自分は頭もよいし、仕事の世界でも成功してきた、人よりも知識も豊富だし大丈夫???)

一般投資家は、業界に対して無知、無防備、甘い誘惑で「魔の領域」に足を踏み入れる。

投資は1000人の内999人が失敗する。

「絶対損をする」という人が圧倒的に多い。

教訓:人の一生にもサイクルがある、

儲ける時期が去ったら、これまでに得たものを守るべき。

45歳以上は、感覚判断力が鈍る。

例:中学生にシュミレーションさせたら評論家のおやじ

よりうまかった。

 

★⇒投資の心理-2